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ヴーヴ・クリコ [フランス]

☆Veuve Cliquot  (2007.7.17)

いよいよ、ヴーヴ・クリコのメゾン見学です!サン・レミ聖堂から徒歩5分程で、ヴーヴ・クリコのメゾンに到着しました。

メゾン見学は、16:30~の予定でした。日本出発前に、予めヴーヴ・クリコのサイトから、見学の予約をすると、数日後に、見学時間が指定されたメールが届きました。ここは、日本語での見学はなく、英語かフランス語・・・になります。私はフランス語サイトから予約してしまったので、フランス語での見学となりました。

メゾンの敷地に入ると、パラソルとテーブル&チェアーのセットが目に飛び込んできました。テーブル中央にはもちろん、ヴーヴ・クリコのシャンパーニュが置かれていました・・・。

         

  ↓メゾンの建物                        ↓ヴーヴ・クリコ社のピュピトル

      

中へ入って、受付で予約の旨を伝え、試飲のコースを決めて(私達はベーシックなイエロー・ラベルの試飲:7.50ユーロ/人)から、2階のサロンで見学時間まで待つように指示されました。既に、同じ見学と思われる人達が10数人程待っていました。

         ↓待合サロンでディスプレイされていたシャンパーニュ↓

       

時間になると、女性のガイドの方が待合サロンに来られました。見学者は私達を含め、20人程でした。フランス語なので、ちょっとドキドキ・・・。可愛らしいフランス人の女性のガイドさんで、とってもはっきりした綺麗なフランス語を明るく話す方だったので、とても聞き取りやすくわかりやすかったので、ひと安心でした

最初は、メゾンの建物内で、ヴーヴ・クリコの歴史の説明、クリコ夫人の肖像画を見ながら、マダム・クリコの功績の説明を聞きました。

ここで、ヴーヴ・クリコの歴史について・・・

1772年、フィリップ・クリコが「クリコ」の商標でワイン・ハウスを設立。
1777年、後のマダム・クリコ(バルブ・ニコル・ポンサルダン)が誕生。その後、フィリップの息子のフランソワ・クリコと出会い、フランス革命の最中、地下のカーヴで結婚式を挙げました。ところが、4年後、幼い娘を残して最愛の夫が他界。夫のシャンパンにかけた情熱を無駄にはできないと、27歳で未亡人になったマダム・クリコは一念発起、メゾン経営に乗り出しました。時、まさに革命の動乱期。王政、貴族制が廃止され、特権階級に愛されていた高価なシャンパンは革命派の矢面に立っていた頃でした。ところが、そんな逆境をものともせず、マダム・クリコは性格の強さとビジネスセンスによって、嫁ぎ先の家業を偉大なシャンパーニュ・メゾンへ発展させました。近代初の女性実業家のひとりとなりました。その後、1810年、社名を「ヴーヴ・クリコ・ポンサルダン(Veuve Cliquot Ponsardin)」と改名されました。

社名のヴーヴ・クリコの"veuve"は、フランス語で"未亡人"という意味です!単語の意味を知った時から思っていたことですが、これが社名に使われるなんて、スゴイ...

マダム・クリコの時代には、シャンパーニュには澱が混じっていたため濁りがありました。1816年、マダム・クリコは「すっきりと澄んだ、透明な」シャンパーニュをつくるために、動瓶(ルミュアージュ*1)用のテーブル(ピュピトル*2)を自ら発明し、動瓶(ルミュアージュ)と澱抜き(デゴルジュマン*3)の手法を編み出しました(過去のブログ:モエ・エ・シャンドンのところに記載しています)。この手法はシャンパーニュ業界に革命を起こし、約200年経った今でも、全てのシャンパーニュ・メゾンで使われています。彼女はまた、最高の区画を持つブドウ畑を徐々に取得していきました。その畑は今もヴーヴ・クリコの素晴らしい財産の一部となっています。 

さて、見学の話に戻って・・・

一旦メゾンを出て、通りを渡った向かいにあるカーヴへ、ガイドさんと見学者一緒に大移動。

                            ↓カーヴ入口の扉

                     

ガイドさんが鍵を開けて、みんなゾロゾロと入っていきました。扉の中は、カーヴへと続く階段です。ひんやりと、そしてちょっとじめっとした感じでした

↓階段を下りながら撮ったので、ピンボケ  ↓階段下から...。そして、見学者達...。

 

このカーヴは古代の石切り場だったところです。ここから、2~3世紀頃、石を切り取りランスの大聖堂を作ったと言われています。多くの水分を含んだ白亜質の地層は、温度を一定に保つ効果があり、シャンパーニュの熟成に最適な環境です。ヴーヴ・クリコのカーヴの地下通路の長さは全長24km、シャンパーニュ地方全体では、全長250kmにおよび、ブドウ畑の下を網目のように巡っているそうです。このカーヴだけで、3000万本以上のシャンパーニュが保存されているとか...

カーヴを巡りながら、シャンパーニュの作り方などを詳しく聞きました。(先に、モエ・エ・シャンドンの見学で聞いたのとほぼ同じような内容だったので、フランス語でもわかりやすかったです。)

   ↓マダム・クリコが考案したピュピトル  ↓シャンパーニュ地方の村名(AyやVerzenay)入りの木樽  

        

   ↓素敵な彫刻も・・・。           ↓階段には、ヴィンテージ年を示すプレートが・・・。

         

カーヴ見学を終えて、試飲コーナー&ショップへ。

   ↓試飲のヴーヴ・クリコ"Brut CarteJaune(=イエローラベル) "

    ← シャンパーニュ、この日4杯目

     アートも、素敵・・・☆

        

     シャンパーニュのディスプレイも素敵・・・☆

        

         

ここでも、シャンパーニュは購入せず、名残惜しくメゾンを去りました・・・

             

結局、この日、3つのシャンパーニュ・メゾン(モエ・エ・シャンドン、パイパー・エドシック、ヴーヴ・クリコ)見学をしました。パイパー・エドシックの恐怖体験を除けば、どのメゾンもそれぞれ楽しめてよかったです。私としては、見学で一番よかったのは、ヴーヴ・クリコでした。ガイドさんの説明が詳しく、他の見学者の方々と一緒だったこともあり楽しむことができ、また、古代のカーヴやマダム・クリコの発明した澱抜きの手法に感動したからです。試飲で美味しかったのは、やはり、私の普段からのお気に入りでもあり、一番上品で繊細な味わいのモエ・エ・シャンドンかなぁ~。 またいつか、ランスへ行くことがあれば、他のシャンパーニュ・メゾンも見学してみたいと思いました。


~ ♪ ワイン用語、ちょこっと復習 ♪ ~ (過去ブログ:モエ・エ・シャンドンのところにも記載)

*1:ルミュアージュ(rumuage)・・・動瓶。二次発酵過程で、ピュピトル(pupitre)に、瓶を斜めに挿して、二次発酵中に発生する澱を瓶の口へ集めるため、1本1本毎日8分の1くらいずつ、熟練した職人の手で回転させること作業のこと。3~5週間(あるいはそれ以上)続けられます。

*2:ピュピトル(pupitre)・・・動瓶の工程で使う瓶を斜めに挿す穴の開いた板のこと。

*3:デゴルジュマン(dégorgement)・・・澱抜き。ルミュアージュ(rumuage:動瓶)の作業後、瓶の口へ溜まった澱(褐色の酵母の滓)を氷点下20度程に冷却して、凍結した澱を取り除く作業のこと。

ピノ・ノワール(pinot noir)、ピノ・ムニエ(pinot meunier)、シャルドネ(chardonnay)・・・シャンパーニュで使われる葡萄品種3種。


☆ヴーヴ・クリコ(Veuve Cliquot)のサイトフランス語日本語


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Fuu-tt

もう絶対明日、シャンパーニュ買いに行ってしまうと思います。
3000万本以上!!!・・・・ため息が出ました・・・・・。
フランスの底力・・・はメゾンの歴史とあらためて、感じつつ・・・
うちの307SWへフランス製のエンジンオイルを足しました。
by Fuu-tt (2007-10-13 21:08) 

私の旅の必需品にヴーヴクリコの小さいボトル。
感動しながら読ませていただきました。
シャンパンはすばらしい歴史の産物だと思います。
フランスが堪能なMimosaさまだからこそ、内容を理解できたのですよ。
私がもしフランス語にあたったら、「ウィ」の連発で疲れきってしまいそうです。1日でこれだけ廻られたなんて素晴らしいです★★★
by (2007-10-13 21:52) 

mint_tea

ピュピトルという名前も初めて知りました~☆
1日で3ヶ所廻ったんですか?フランス語のガイドなんてスバラシイ…。
なにげない彫刻もフランスらしいですね。歴史も勉強になります。
そんな精神的に辛い状況の中、ここまでのことを成し遂げたマダム・クリコ、凄い方ですね…。これからシャンパンを買う時、今までとはちょっと違った気持ちで選ぶことができそうです。
by mint_tea (2007-10-13 22:05) 

naonao

ヴーヴ・クリコ、有名ですね!
以前イベントでご馳走になったときがあり、グビグビ何杯も頂きました。そのおいしかったこと!!
また飲みたくなりました~。
by naonao (2007-10-13 22:21) 

trestelle

カーヴって随分深いところにあるんですね。階段の写真を紹介してくださったので様子が良くわかりました。それにしても、フランス語での説明を理解されるなんて素晴らしいですね。私もフランス語、もっと頑張らなくちゃ・・・と決意を新たにしたところです。
by trestelle (2007-10-13 22:55) 

ネーミングがクリコ未亡人・・・
なんだか、愛と絆と執念と、芸術的なエロティシズムを感じます。
シャンパーニュ誕生を想起させるディスプレイもおしゃれですね。
「透明さ」をつくる動瓶を発明した辺りは、ただものではありません。
飲んだことがないので、贈っていただけますか?
ええーっと、住所は・・・・なんつって(爆)
by (2007-10-14 00:29) 

めぎ

一日に三カ所も!バイタリティがありますね!!
どれもドイツでもメジャーに売られてますが、やっぱり相当特別なときにしか飲みませんねえ。フランスのシャンパンはドイツでもお高めです。
素敵な歴史ですね。革命の時代に実業家として成功した女性がいるとは、フランスの底力を感じますね。
by めぎ (2007-10-14 02:04) 

カーヴ、凄いですね。ぶどう畑の地下にあるんですか・・・想像だにしていませんでした。私はお酒が弱いので、量は大して飲めませんが、甘口のワインが好きで、チーズも好きなので、そのうちワイン教室にでも行ってみようと思っています。「ワイン用語」、勉強になります~♪
by (2007-10-14 13:13) 

Mimosa

☆milk-kさん・・・
シャンパーニュ、ふと飲みたくなることありますね!ユーロ高の影響で、日本でもフランスと同価格程度で買えるようになり、私もちょこちょこ小瓶を買ってしまいます。
307SWって、何?と調べたら、プジョーの車ですね。かっこいい~☆エンジンオイルもフランス製なんて、スゴ~イ! 私もプジョー製品持ってますよ・・・。車は買えず、ソルト&ペッパーのミルですけどね...^^v!


☆ハオくん・・・
ハオくんの旅の必需品、ヴーヴクリコのケース付きミニボトル覚えてますよ~♪確か、長崎の旅の時でしたね!?
シャンパーニュはメゾンごとに、独自の歴史があるし、興味深いですね。
もう少し滞在時間があれば、他のメゾン見学も行きたかったです~!ハオくんもぜひメゾン見学してみて下さいね!
私のフランス語はまだまだです...^^;。たまたまいいガイドさんで綺麗なはっきりした発音だったのと、少しの予備知識があったから理解できたのだと思いますよ~。


☆mint_teaさん・・・
欲張って、1日で3箇所のメゾン見学してきました~^^!
マダム・クリコは本当に偉大な女性ですよね!?メゾン見学後、日本に帰ってから、シャンパーニュを飲んだ時は、いろいろと見学時のことを思い出したり、歴史のことや作り方の過程を考えたり・・・と、見学前とは違って、深く味わうようになりました。


☆naonaoさん・・・
そうでしたね、naonaoさんのブログで、そのイベントのこと見たことあります。いいなぁ~、なんて思ってました!
シャンパーニュが振るまわれると、イベントも華やかになりますよね!?


☆trestelleさん・・・
扉を入るとすぐ階段だったのが意外で、思わず写真撮ってしまいました!
フランス語はなかなか上達してないですよ(i_i)。旅行へ行く度に、自分のフランス語力のなさに自信失くしてます。ヴーヴ・クリコのガイドさんは、フランス人にはめずらしく、はっきりと大きな声で話す方で、とても聞き取りやすかったんです~!


☆コールドターキーさん・・・
社名にしては、ネーミングが変わってますよね!?「マダム・クリコ」でもよかったはずなのに・・・。
ディスプレイなどは、さすがに華やかな感じでお洒落でしたね・・・☆
マダム・クリコがピュピトルを発明したきっかけは、ある日の夜中にふと思いつき、急遽大工さんを呼んで、サロンのテーブルに穴を開けてもらったというエピソードもあるそうです。
ヴーヴ・クリコ、飲まれたことないですか~?お贈りしたい気持ちは山々ですが、なんせ、シャンパーニュはあまり移動させると味がおちるそうですよ。ぜひ、美味しく飲んでいただきたいので、どうぞ、お近くでお買い求めくださいませ~^^/


☆めぎさん・・・
この日は、この旅行中のメインである、シャンパーニュ・メゾン巡りの日でした。3箇所もメゾン見学するから、ハプニングも起こったのかもですね^^;。
ドイツでも同じユーロ圏だから、きっとフランスと同じかそれ以上にお高めなんでしょうね。
女性がビジネスに成功したというのが、こんな昔の革命時代にあったとは驚きでした。マダム・クリコは偉人だったのですね...。


☆Krauseさん・・・
nice!、いつもありがとうございます~♪


☆bonheurさん・・・
私も驚きでした。1つのメゾンだけで、20数kmのカーヴがあるって、大きさの想像もつかない程でしたね。車窓から見た広大なぶどう畑、あの下にカーヴがある・・・と思うだけで、不思議な感じでした。
bonheurさんは、アルコールに弱いようですね。私も決して強い方ではないですけど、この日だけは特別、かなりのシャンパーニュを飲みました...^Q^。ワイン教室、私も興味ありますがなかなか行く機会がなくって・・・。
by Mimosa (2007-10-14 23:47) 

Mimosaさんにとっての、念願のヴーヴ・クリコ訪問の話題、楽しく、興味深く読みましたよ♪

試飲して、おそらくご満悦♪の、Mimosaさんだったであろうと想像させて頂いてます!!

マダム・クリコさんのヒストリーを読んで、やはり、良いものを長い間維持し続けるということは、たゆまぬ努力なんだと改めて感じました。
ご苦労もあったでしょうが、そのおかげで、時代を超えて、私達が口にできるわけですから、感謝ですね。

お酒はからきし弱い私ですが、少し口にして見たいなと思うようになりました。

それにしても、一日3箇所、頑張りましたね!!
心地よい(ほろ酔い??)気分で最高の一日でしょうね!?
by (2007-10-15 03:29) 

rino

ディスプレイがとても素敵だな~と見させていただきました。
1日3箇所のメゾン見学、日本で予約もされて、フランス語も勉強されて、
ナイスをたくさん押したいような旅ですね!
私もシャンパンを飲みたくなりました♪
by rino (2007-10-15 10:29) 

Mimosa

☆xml_xslさん・・・
nice!、ありがとうございました~♪


☆自由人さん・・・
見抜かれてしまいましたね。そう、この日は美味しいシャンパーニュがたくさん飲めて、とってもご機嫌でしたよ~*^^*。
試飲だけでなく、どのメゾン見学も楽しめました!
マダム・クリコの歴史には感動しました・・・。
自由人さんは、残念ながらアルコールはあまりダメなようですが、シャンパーニュを飲む機会がもしあれば、ぜひひと口でも飲んでみてくださいね。その際、私のブログに取り上げたシャンパーニュの製造過程や歴史を思い出していただきながら味わっていただけたら・・・嬉しいですね~^^!


☆rinoさん・・・
ディスプレイには、どこのメゾンもかなり力を入れてアピールしているようでしたね。シャンパーニュらしい華やかさがあり、お洒落で素敵でした・・・☆
ぜひぜひ、ご結婚記念日などの特別な日に、旦那様とシャンパーニュを味わってみて下さいね...♪
by Mimosa (2007-10-16 07:36) 

julliez

マダムポメリーとマダムクリコは最も有名な未亡人・・って事になるのでしょうか^^
彼女達以外にもシャンパーニュにはヴーヴな女傑が伝説を創ったメゾンの当主はまだまだ居るんですよ。
フランスのオカンは強いです。

ワイン用語、お勉強なさっておられますね^^♪
by julliez (2007-10-16 19:04) 

Mimosa

☆julliezさん・・・
マダム・ポメリーもだったのですね@_@。シャンパーニュは、なぜか未亡人と縁があるようですね~!
フランスのオカンね~(笑)、ホント強そう!でも、素敵そう・・・☆
ワイン用語、まだまだです。julliezさんのブログで勉強させていただきますね...♪
by Mimosa (2007-10-18 01:17) 

Mimosa

☆rebeccaさん・・・
いつも、nice!ありがとうございます~♪
by Mimosa (2007-10-18 01:18) 

Mimosa

☆ぴーすけ君・・・
nice!、ありがとうございました~♪
by Mimosa (2007-10-20 06:57) 

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