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☆ムンク展 [アート]

☆Edvard Munch; The Decorative Projects (2008.2.13) 

先日、神戸の兵庫県立美術館で開催されている「ムンク展」へ行って来ました。

       

   ↓ 兵庫県立美術館・エントランス側正面 

    

               ↓ 入口近くにあった広告柱(?)のポスター(表と裏) ↓

              

     ↓1F・エントランスホールとポスター(表と裏) ↓

 

       ↓ 階段とポスター

    

こうして、「ムンク展」の会場に入る前に、いくつかのムンクの作品をポスターで楽しめました。

エドヴァルド・ムンク(Edvard Munch/1863~1944)は、19世紀末から20世紀にかけて活躍したノルウェーの画家です。 『叫び』(1893年)が特に有名ですね・・・。

今回の「ムンク展」は、東京で昨年10月から今年1月まで開催されていた巡回展です。オスロ市立ムンク美術館の所蔵作品を中心に、代表作である『吸血鬼』・『不安』・『声/夏の夜』・『生命のダンス』をはじめ、全108点が出展されています。ムンクの作品は、表現主義的(孤独や不安といった感情を作品に表す)に描かれたものが多いのが特徴です。

ムンクは、人間の生死や愛、そこからもたらす孤独や不安を描いたもののうち、中心的な作品群を、<生命のフリーズ>という連作とし、「全体として生命のありさまを示すような一連の装飾的な絵画」と考えていました。そして、その作品をどのような組み合わせやどのような順序や配置で展示するのが好ましいかという、装飾性への関心も高く、試行錯誤していたようです。その様子がスケッチ画として、会場で見ることが出来ました。

さらに、ムンクの芸術とその装飾性の関心から、個人の住宅や公的建築などのプロジェクトにも生かされて、それらの作品も紹介されています。なかでも、フレイア・チョコレート工場の食堂に飾られているムンクの作品を会場の映像で見ることができ、社員食堂におけるムンクの作品の役割や雰囲気がよくわかりました。

今回は『叫び』の作品はありませんでしたが、<生命のフリーズ>の中でのパネル展示で見かけました。今までは、ムンクの『叫び』の印象が強く、暗くて重い作品ばかりかと思っていました。確かに、ムンクの人生における当時の感情や、世紀末の人々の不安を表現した重い作品も数多くありました。でも、有名な作品はその時代のものがほとんどだそうです。そして、後期には次第に明るい作品も生まれるようになったようです。ムンクの人生とその作品が描かれた時期とリンクさせて見ると、作品をよりよく理解できるように思いました。

今回見て、気に入った作品のポストカードを数枚購入しました。それらをスキャンしたものです。

   ←『絶望』(1893-94年) 

                          『不安』(1894年)→     

    ←『赤い蔦』(1898-1900年)

     『浜辺の若者たち』(1904年)→

ムンクの独特な筆のタッチや色合いなども好きになりました。いつか、ノルウェー・オスロにあるムンク美術館へ行って、『叫び』も見てみたいなぁ・・・と思いました!

さて、「ムンク展」を見終わった後、もうひとつの楽しみでもあった建物見学をちょっと・・・。

兵庫県立美術館の建物は、日本を代表する建築家・安藤忠雄氏の設計によるものです。今回、この美術館に初めて訪れましたが、目的の絵画展だけでなく、建築面でも楽しめました。

安藤氏独特のコンクリート打ちっ放しとガラスが多用されており、外観も内部も美しい建物でした。自然光が上手く採り込まれているのも、安藤建築の特徴のひとつです。展示会場はもちろん窓なしで、ずっと室内で絵画を見続けて疲れて来た頃に、採光用のガラス張りの小さい中庭が現れ、外の様子がほんの少し見ることができ、ベンチシートもあるので見学の合間に少し和める空間になっています。ちょうど私がこのガラス張りの中庭に出た時には、青空から雪が舞い散る様子が見え、ホッとひと息でき、後半の見学も疲れることなくスムーズにできました。そして、展示会場を出て、さらにミュージアム・ショップを出ると、明かりがふんだんに入るガラス張りの通路へと出ます。ここにも、ベンチシートがあるので、人待ちや少し休憩できるようになっています。このように、見学者へのちょっとした心配りができた美術館は素敵だなぁ、と思いました。

外に出て、建物全体を見てみました。この日は寒かったので、少しだけ・・・。

      ↓ 海側・階段広場と美術館

   

        ↓ 円形テラスの階段

    

 安藤氏は国内外でたくさんの建築物を設計されていますが、私がこれまでに行った「サントリーミュージアム 天保山」や「大山崎山荘美術館」も素晴らしい建物でした。 


ムンク展(Edvard Munch; The Decorative Projects)

   兵庫県立美術館

   2008.1.19(土) ~ 3.30(日)  (:休館日=月曜日

 <参考:オスロ市立ムンク美術館Munch Museet/英語)>


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naonao

私もMimosaさんと同じで、現地のオスロでムンクを観たい派です。兵庫県立美術館も立派ですね。こちらにも寄ってみたいです。螺旋階段はバチカン美術館を思い出させてくれる造りですね。
by naonao (2008-02-24 21:49) 

ぴーすけ君

ムンクの色使い、好きです。
独特なオレンジとグリーンに青・・・
ムンクの世界に引き込まれてしまいます。
by ぴーすけ君 (2008-02-24 22:19) 

foret

ムンク展、僕も行ってきましたよ~
実はフランスに滞在中にノルウェーにも行ったことがあり、
ムンク美術館にも行きました。
数年前に現地で見た絵と日本で再会できるのって
ちょっとした感動ものです。
「スクリ~ム」も見たかったのですが、盗難にあったのどうのと
新聞か何かの記事で目にしたことがあるのですが、
その後、どうなったのでしょうか?
気になります。
by foret (2008-02-24 23:10) 

めぎ

ほう、ムンク展ですか。ムンクの作品がたくさんある・・・うううう叫びたくなりそう・・・
わたしもオスロで「叫び」を見たいです。ノルウェーはまだ行ったこと無いんですよ。
by めぎ (2008-02-24 23:40) 

Mimosa

☆rebeccaさん・・・
いつも、nice!ありがとうございます~♪

☆naonaoさん・・・
やはり、ムンクの故郷である、オスロの美術館で見てみたくなりますね~。バチカン美術館にこういう螺旋階段があるんですか?いつか行ったら見てみますね。
もし神戸へ行く機会がありましたら、兵庫県立美術館へ足を運んでみてください・・・!

☆ぴーすけ君・・・
ムンクの色使い、なかなかいいですよね~!暗めといわれていますが、赤っぽい色が何ともいえないいい色で、筆のタッチとあわせると、可愛い感じにも思えてきます・・・。

☆はっこうさん・・・
いつも、nice!ありがとうございます~♪

☆takagakiさん・・・
いつも、nice!ありがとうございます~♪

☆foretさん・・・
お久しぶりです~!
foretさんもムンク展行かれたのですね~!そして、オスロのムンク美術館も訪れたことがあって、今回思い出の絵と再会できたなんて、とっても羨ましいです・・・☆今回、ムンク展でさらにムンクの絵の深さを知り、行きたくなりました!
『スクリーム』は、盗難に遭った2年後(2006年8月)に、オスロで発見され、今ではムンク美術館に戻ってるようですよ。foretさん訪れたのは、残念ながら盗難中だったのですね。では、またいつか再訪しないと・・・^^!?

☆めぎさん・・・
ムンクといえば、あの独特な『叫び』の絵が浮かびますよね?確かに、両手を頬に近づけて、びっくりしたような顔で叫びたくなってしまいそうですね...^^。
オスロのムンク美術館で、本物の『叫び』を見たいですね!
by Mimosa (2008-02-25 00:09) 

hikarian

nice!ありがとうございました。
ムンクは好きな画家です。
今回はなかった「叫び」をはじめて観たときの
衝撃はいまも忘れられません。
神戸の兵庫県立美術館もいいですね。
by hikarian (2008-02-25 14:43) 

dogwood

ムンクは「叫び」しか見たことがないから(本とかで)、ムンクのその他の作品(カード)をとっても興味深く見させて頂きました!画風は、「叫び」と同じような感じなんですね。なるほど。
私も、本場オスロでムンクの作品たちを見たくなりました!

by dogwood (2008-02-27 19:25) 

Mimosa

☆OFさん・・・
はじめまして。nice!ありがとうございます~♪

☆hikarianさん・・・
こちらこそ、ありがとうございます~!
hikarianさんは、「叫び」をご覧になられたのですね?きっと、感動ものでしょうね!
ムンクの絵は、どこか人を惹きつけますよね?私も今回は、ムンクの魅力にはまってしまいました。。。

☆dogwoodさん・・・
そうですよね。。。「叫び」は、あまりにも有名で、インパクトもある絵なので、本や雑誌などでよく見かけることありますよね。
「絶望」や「不安」は、「叫び」と画風や構図までも似てますね~。
「叫び」や他のムンクの作品、機会があれば、ぜひオスロで見てみてくださいね~!コペンからだとオスロは近く(日本からに比べて・・・)ていいなぁ。。。^^/

☆xml_xslさん・・・
いつも、nice!ありがとうございます~♪
by Mimosa (2008-02-28 00:45) 

もとこさん。

私が中学生の頃 ~45年とか前~ 美術の教科書に「叫び」が小さく印刷されて載っていました。強烈な衝撃を受けた私は色々な画集を調べたのですが、その時代には作品も紹介されておらず、ムンクについて全くと言ってよいほど何も手がかりが得られませんでした。
高校生の頃、神奈川県立美術館(だったと思います)で始めてムンク展が開催され、それ以後です、こんなに沢山画集が出版され、展覧会があちこちで開かれるようになったのは。
後にオスロを訪れ、あの作品はこの白夜の夏と逆に暗く重い冬の気候風土の中で生まれた事を実感しました。
ついコメントが長くなってごめんなさい。若かった頃の記憶と結びついて、とても懐かしかったもので・・・
by もとこさん。 (2008-02-28 11:33) 

trestelle

ムンク展行かれたんですね~。私は東京で見逃してしまったので、Mimosaさんのレポートで雰囲気がわかりました。ありがとうございます♪
by trestelle (2008-02-28 23:03) 

Mimosa

☆もとこさん。・・・
私のムンク展のブログを見ていただいて、ムンクの絵との出合いや思い出を懐かしんでいただけたこと、とっても嬉しく思います~♪
もとこさんのコメントを拝見して、わたしがムンクの絵を初めて見たのがいつだったか、思い出したいのですが全く思い出せないんです!ただ、私はもとこさんのように画集を調べたりする熱心さと全く違って、ムンクのあの独特の仕草をふざけてよく真似ていたものです...(情けない^^;)!
もとこさん、オスロの美術館でもご覧になられたのですね~。確かに、北欧の厳しい気候風土もやはり、絵に影響されることもあるのでしょうね。
私は絵心はあまりないですが、ムンクの絵はとても興味深く、絵に込められたムンクの思いが奥深い意味があるんだろうな~と感じました。

☆Krauseさん・・・
いつもnice!ありがとうございます~♪

☆trestelleさん・・・
東京のムンク展、見逃しちゃったのは、残念でしたね~。いっそのこと、オスロで見ちゃうか・・・、ですね^^!?
私が紹介したのは、特に気に入った絵を数点だけですが、他にも素敵な絵がたくさんありました。今回、ムンク展へ行って、益々ムンクの魅力にはまってしまいました~♪
by Mimosa (2008-02-29 00:36) 

mint_tea

ムンク展、上野でやってるんダ…と思っていたのに、
いつのまにか神戸に行っていたのですね。私も見逃しました…。
兵庫県立美術館、多分数年前に東山魁夷展を見に行ったところだと思います。
ここのレストランでランチをした記憶があります。
安藤忠雄さんらしい建物ですよね。
大山崎山荘美術館も大好きなところで、今度ブログで紹介したいな~と思ってマス。

by mint_tea (2008-02-29 21:00) 

Mimosa

☆mint_teaさん・・・
美術展は、どれも割と長期(2~3ヶ月)で開催されてますが、まだまだ大丈夫・・・と思ってたら、いつの間にか終わっちゃってることってありますよね~。
テレビでムンク展を紹介していた時に、兵庫県立美術館のレストランもお薦め・・・と言ってましたよ。ランチ後に行ったので、あいにく行けなかったのですが・・・。
大山崎山荘美術館、新旧の建物がどちらも素敵ですよね...☆ ぜひ、ブログで紹介してください!楽しみにしています...♪

☆いっぷくさん・・・
こちらにも、nice!ありがとうございました~♪
by Mimosa (2008-03-01 00:05) 

rino

今から12年前くらいにオスロで「叫び」を見ました。
美術館までずいぶん歩いた記憶があります。
今までにみたことがない独特のタッチに
目を奪われた思い出があります。
by rino (2008-03-01 16:05) 

Mimosa

☆rinoさん・・・
オスロで「叫び」をご覧になられたのですね~。羨ましいです♪
ムンク美術館は、少し不便なところにあるのですね~。
ムンクは確かに、独特なタッチがありますね。他のムンクのどんな絵よりも「叫び」が、衝撃的なインパクトを与えるんでしょうね~。

☆りんこうさん・・・
いつも、nice!ありがとうございます~♪
by Mimosa (2008-03-02 18:16) 

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